「社内ニート」や「窓際族」という言葉を聞くと、多くの人はネガティブな印象を持つ一方、「仕事をほとんどしなくても給料がもらえるから勝ち組だ」と楽観視する意見もあります。
しかし、実際には「人から必要とされない」「仕事ができない人だと思われる」ことが精神的に辛く、結局は自分から退職を選ぶ人も少なくありません。
私は、社内ニート・窓際族のような状況に陥ったことがあり、自分が給料泥棒であるという認識に耐えきれず退職の道を選びました。→ 仕事で干されたときの対処法
本記事では、社内ニート・窓際族になってしまったときに自分自身の幸せとまわりへの影響を考えて取るべき2つの選択肢を提案します。
社内ニート・窓際族とは?

社内ニートと窓際族という言葉はだいたい同じ意味だと解釈してOKですが、わずかな違いは次のとおりです。
社内ニート
「社内ニート」は、そもそも「ニート」という言葉が出てきてからの概念なのでわりと近年の言葉です。
- 会社に所属しているが、仕事がほとんどない
- 特に若手・中堅社員に多く見られる
- 給料はもらえるが、スキルが伸びずキャリアが停滞
窓際族
「窓際族」は、昭和の時代から使われている言葉で、おじさん・おばさんにはなじみが深いでしょう。
- 会社で重要な仕事を任されず、出世の見込みがない
- 主に中高年社員に使われる言葉
- 役職はあるが実務の機会が減り、周囲からも距離を置かれる
どちらの状態も「職場で必要とされていない」と感じる点では共通しています。
社内ニートはおもに若手に対して使われやすく、窓際族はおじさん世代に使われやすい言葉です。
なぜ社内ニート・窓際族になってしまうのか?

社内ニートや窓際族になってしまう理由はいくつか考えられます。
同じレベルの人がたくさんいる
社内に同じような年齢や能力の人が多くいる場合には、ポストが埋まっており、たまたま新しい役割が与えられないことで社内ニートや窓際族になってしまうこともあります。
本人の能力・努力不足
求められる業務に対応できない、つまり自分に能力がないと、仕事を任せにくいためどんどん窓際に追いやられるのは当然です。
人から重宝がられないのは、自分に原因があると自覚することも大事です。
コミュニケーション不足
職場では人間同士のコミュニケーションも大事です。上司や同僚とうまくコミュニケーションがとれない人は絡みづらい存在になってしまうため、仕事のやりとりも減ってしまいます。
会社の方針の変化
会社には方針の転換や業績の悪化などの事態が起きます。それに合わせて必要な人とそうでない人が選り分けられて、そうでない人に入ってしまうと「首にするわけにもいかないから・・・」という苦肉の策で社内ニートや窓際族にされてしまう人もいます。
どれか一つだけが原因とは限りませんが、「今のままでいいのか?」と考えることが重要です。
社内ニート・窓際族のまま放置するとどうなる?

一部の人は社内ニートや窓際族に対して「楽して給料がもらえるならいいじゃないか」と考えるかもしれません。しかし、社内ニート・窓際族のままでいることには、次のようなリスクがあります。
キャリアの停滞
社内ニートや窓際族のままでいると、同じような退屈な業務ばかり続けることになり、転職を考えたときにアピールできるスキルもなくなります。
収入の不安定化
社内ニートや窓際族でも給料がもらえるのはラッキーともいえますが、重要視されていないということは、リストラ対象になりやすいといえます。
客観的に見て給料を払うのも躊躇する状態で、会社にいられることがむしろ奇跡です。
メンタル面の影響
給料がもらえるからいいや、と楽観視できてるうちは社内ニート・窓際族でもいいかもしれませんが、必要とされていない自覚をもったとたん自己肯定感が下がり、会社にいること自体が苦痛になります。
これらのリスクを考えると、現状維持よりも「自分を成長させる」道を選ぶほうが賢明です。
社内ニート・窓際族になったときの2つの選択肢

社内ニートや窓際族になってしまったときにとるべき選択肢は、大きく分けて以下の2つです。
【続ける選択】スキルアップや業務改善に努め、職場での存在価値を高める
会社に居続けたい場合は、社内での立場を向上させるために、以下のことを実践してみましょう。
新しいスキルを身につける
- 資格取得やオンライン講座でスキルアップ
- 社内の研修に積極的に参加
業務改善に取り組む
- 積極的に仕事を探し、「できること」を増やす
- 上司や同僚とコミュニケーションをとり、仕事をもらえるようにする
会社に貢献する姿勢を見せる
- 会議で意見を発言する
- 自主的に資料作成や業務サポートを行う
「今までの自分を変える」努力をすることで、社内での居場所が見つかる可能性があります。
【辞める選択】退職を検討し、自分の能力を生かせる職場を探す
今の職場での成長が見込めない、あるいは精神的に辛い場合は、新しい環境を探すのも一つの選択肢です。
自分の強みを見つめ直す
今の職場で高評価を受けていなくても、自分のいいところは、しっかり自分で理解しておきましょう。
- これまでの経験で得たスキルを書き出す
- 自分が「やりたい仕事」「向いている仕事」を考える
転職活動を始める
ひとつの職場でダメだからどこに行ってもダメというわけではありません。自分を必要としてくれる場所は必ずあります。
- 転職エージェントに相談する
- 異業種や未経験職種へのチャレンジも検討する
副業や独立を視野に入れる
組織でうまくいかないタイプだから社内ニートや窓際族になってしまっている可能性もあります。自分のペースで働くという生き方も考えてみましょう。
- 副業を始めて、自分の力で稼ぐ経験を積む
- フリーランスや起業も選択肢にする
「自分の能力を生かせる場所」に移ることで、新しい未来を切り開くことができます。
社内ニート・窓際族は勝ち組ではない

社内ニート・窓際族の状態は決して楽なものではありません。しかし、それを悲観するのではなく、「これからどう生きるか?」を前向きに考えることが大切です。
- 現職でスキルアップして、価値を高める道を選ぶか?
- 退職して新たな環境で自分の能力を生かすか?
どちらを選ぶにしても、社内ニートや窓際族を楽観視して「何もしない」ことだけは避けましょう。必要とされる自分になって、自分をもっと必要としてくれる世界に行きましょう。